ご存知でしたか?実は鑑定機関は複数あり、同じダイヤモンドでも鑑定する機関によって結果が違うことがあるんです!
婚約指輪(エンゲージリング)のダイヤモンドは大きさや輝きで価値が変わります。
ダイヤモンドの価値を決める4つのC(カラット、カラー、クラリティ、カット)があり、それらを鑑定することでランクづけされています。
そんなダイヤモンドを鑑定してくれるのが、鑑定機関と呼ばれるところ。
今回はダイヤモンドの鑑定をしてくれる鑑定機関について、少しご紹介します。
宝石やダイヤモンドの鑑定機関とは?
鑑定機関とは宝石学の研究・教育をおこなう機関のこと。
宝石関係のバイヤーやデザイナー、鑑定士など宝石に携わるスペシャリストを育成すると同時に、宝石学の研究やダイヤモンドの鑑定をおこなっています。
婚約指輪にのせるダイヤモンドを鑑定しているのは鑑定機関であり、鑑定後に発行されるダイヤモンドの鑑定書は、品質の保証となるわけですね。
せっかくの大切な婚約指輪ですから、きちんと鑑定してもらっておきたいところです。
ダイヤモンドの価値を決める4C
婚約指輪(エンゲージメントリング)に留めるダイヤモンドの価値を決める基準は4つあり、カラット・カラー・クラリティ・カット(4C)がそれにあたります。
はじめて聞く方もなんとなく知っている方も、4Cがいったい何なのか、こちらのページで簡潔にチェックしておきましょう。
ダイヤモンドの鑑定先をしっかり選ぼう
ダイヤモンドの鑑定は、ブランド保証で自社で鑑定をする「自社鑑定」と、公的な専門の鑑定機関にメーカーが依頼する方法の2種類があります
公的な専門の鑑定機関は、実は世の中に無数にあります。
鑑定先によって同じダイヤモンドでも鑑定結果が変わってくることもあるので、鑑定先をしっかりと選びましょう。
たとえば一つのダイヤモンドを2つの鑑定機関に出したところ
A社 0.20ct-F-VS1-EX ¥130,000
B社 0.20ct-E-VVS2-EX で¥155,000
だったということもありえるのです。
この場合、鑑定機関Aは厳しくダイヤモンドを見ていますが、鑑定機関Bは甘く見ていることがわかりますね。
カラットは重量ベースなので鑑定機関でカラット数が変化することはまずないのですが、カラー、クラリティ、カットは変わる可能性があります。
ダイヤモンドは評価が高くなるにつれて金額も高くなります。
甘い鑑定は必要以上の金額を払うことになるため、厳正な鑑定をされたダイヤモンドほど安心して購入できるというわけなんですね。
権威のある鑑定機関
それでは具体的にどこでダイヤモンドを見てもらえばよいのか、代表的な鑑定機関をご紹介しましょう。
世界的にはGIAとHRDが2トップと言われていますが、日本国内ではCGLとAGTが人気です。
GIA(Gemological Institute of America)
アメリカに本社を構える世界最大級の鑑定機関。
非営利の団体なので、公平にダイヤモンドの鑑定や情報を提供する独立した機関であることでも知られています。
なんと婚約指輪(エンゲージメントリング)を扱うほとんどのブランドが基準にしている「4C」=インターナショナル ダイヤモンド グレーディング システム™(鑑定方法や鑑定書の項目)を作り出した機関でもあるのです!
日本の主要な鑑定機関は、GIAの作り出した基準をもとに鑑定を行っているため(GIA方式)、国内、そしてアジア諸国はGIA方式が一般的とされています。
HRD(Hoge Raad voor Diamant)
ベルギーのアントワープにある、最高権威の非営利鑑定機関。
世界中のダイヤモンドが揃う「アントワープ・ワールド・ダイヤモンド・センター(AWDC)」によって運営されています。
ダイヤモンドの鑑別、鑑定機材の開発もおこなっており、世界中から厚い信頼を寄せられる機関でもあります。
GIA基準を採用している地域以外では、こちらの「研磨ダイヤモンド等級付け国際規則(IDC規則)」を採用していることが多く、これをもとに鑑定書を発行しています。
IDC規則(HRD方式)は、ダイヤモンド業界を代表する「世界ダイヤモンド取引所連盟(WFDB)」や「国際ダイヤモンド製造業者協会(IDMA)」によっても認められているスゴイ方式。
GIAとともに、代表的な判断基準として知られています。
CGL(Central Gem Laboratory 中央宝石研究所)
東京都に本社を構える株式会社中央宝石研究所は、国内で権威のある鑑定機関です。
CGL創業者の並木正男氏は宝石鑑別団体協議会(AGL)の初代会長も務めており、日本の宝石学を牽引してきた人物としても知られています!
AGTジェムラボラトリー
GIAが設立したのちに、日本のGIA代行機関として創立されたのがこちら。
GIA-G.G.(GIAグラジュエイトジェモロジスト)と呼ばれ、熟練のグレーダーと最新機器を取り揃えています。
GIAに並ぶ厳正な鑑定に定評があることで知られています。
ダイヤモンドを自社鑑定をするブランド
ブランドによっては外部の鑑定機関にダイヤモンドの鑑定を依頼せず、自社でダイヤモンドの鑑定をおこなうところも。
ブランド保証という形で、広く認知されている大手ブランドがダイヤモンドの自社鑑定をしている場合が多くありますね。
鑑別書と鑑定書の違い
宝飾業界では「鑑定(かんてい)」と「鑑別(かんべつ)」という言葉があり、婚約指輪(エンゲージメントリング)のダイヤモンドでもブランドによっては「鑑定書付き」と「鑑別書付き」の2種類があるのを知っていますか?
この2つは同じと思われやすいですが、大きな違いがあります。
以下でご紹介しますね!
鑑別書
ダイヤモンドや宝石がが本物かどうかを示してくれるのが、鑑別書です。
宝石の重さや、光の屈折率、反射特性などを宝石鑑別機材を用いて検査し、科学的データからその宝石が本物かどうか鑑別します。
ほかにも、カット・研磨以外で人の手が加えられたか履歴を明らかにし、結果を記します。
鑑別書はダイヤモンド等の裸石(リングなどに留められていない宝石だけの状態)に限らず、ネックレスやリングにセットされたものに対しても発行されています。
鑑定書
ダイヤモンドだけに発行される証明書が鑑定書。
重量と品質のグレードを、測定・検査結果とともに記します。
ダイヤモンドのグレードは4Cで評価されることが決まっていますが、鑑定書自体は鑑定機関それぞれ独自の書式で発行されることになっているのです。
まとめ
ダイヤモンドのグレードを鑑定している機関があるということ、おわかりいただけたでしょうか。
同じダイヤモンドでもそれを評価する鑑定先によって結果が異なる場合があるというわけですね。
大切な婚約指輪(エンゲージメントリング)の主役となるダイヤモンドを安心して使っていくためにも、本物のダイヤモンドなのか、正しい品質が保証されているのか知ることは大切です。
鑑定書、鑑定機関も考慮した上で婚約指輪(エンゲージメントリング)を選びたいところですね。